AviUtlでワイプ表現を作る2つの方法

動画編集の場合、一言に「ワイプ」といっても、ゲーム実況動画によくある「小窓」の表現とワイプトランジションの2つの意味合いが存在します。AviUtlではどちらの表現も作成可能です。このページでは小窓として表示しておくという意味でのワイプ表現と、トランジションで利用されるワイプシーンチェンジ効果の適用方法の2つについてご紹介しています。

ワイプとは?2種類の意味合いがある

テレビ用語としての「ワイプ」はよく芸人さんや女優さんの笑顔や驚きといったリアクション表現をメイン映像の中に小窓として表示する事を指します。

しかしAviUtlに限らず動画編集という観点からみると、ワイプという用語は「wipe=拭き取る」という意味の通りで、星形や直線や丸などの図形を使って拭き取るように場面転換を行う用語として利用されています。トランジション効果の種類としてワイプという効果があります。

上記2つの表現はどちらもワイプと呼ばれる表現です。AviUtlでは2つの意味のどちらの表現も作成することが出来るので、このページでも2つの意味合いの「ワイプ」表現についてご紹介しています。

小窓としてのワイプ画面の作り方

テレビ用語でいうところのワイプ表現は、Youtubeのゲーム実況動画などでも多用されています。メインとなる背景動画の上に小窓として小さい動画を重ねて作る映像表現の事です。この表現もAviUtlでは簡単に作成することが出来ます。

タイムラインに動画を2つ配置

メインとなる動画がタイムラインの見た目上で上の段に来るように動画を2つ縦に並べて配置しましょう。上に配置する動画が背景に来るメイン映像、下に配置する動画や写真がワイプとして小窓表示するワイプ用の映像になります。

ワイプ映像のサイズを縮小する

ワイプ表示したい映像のサイズを縮小します。ワイプ映像をダブルクリックすると表示される「設定」ダイアログから「拡大率」の項目を調整することでサイズの縮小が可能です。

個人的にはキーボードの[Alt]キーを押しながらドラッグすることで直感的に拡大と縮小が出来るのでこの方法が一番編集しやすいと感じています。

ワイプ表現が作成できました

重ねた動画や写真のサイズ調整が出来れば、テレビ用語でいうところのワイプ表現の完成です。お好みで影を付けたり縁線を加えることでよりはっきりと見やすい表現にすることも出来ます。グリーンバックで撮影していた素材であれば、カラーキー等で背景を抜いたものを重ねれば、背景が写らないワイプ表現も作ることが出来ます。

切り替え効果としてのワイプ表現の作成

シーンチェンジとしてのワイプ表現もAviUtlで作成できますので、こちらも作成してみましょう。AviUtlでは場面切り替えのトランジション効果の事をシーンチェンジと呼びます。そしてこのトランジションは、シーンチェンジオブジェクトと言うものを作成することでコントロールしていきます。

シーンチェンジオブジェクトの作成

シーンチェンジオブジェクトはタイムラインの空白を右クリックし「フィルタオブジェクトの追加>シーンチェンジ」から追加することが出来ます。

シーンチェンジ効果を「ワイプ」に切り替えます

挿入されたシーンチェンジオブジェクトをダブルクリックすると表示されるダイアログ内のプルダウンメニューを開くことで、トランジション効果を選択することが出来ます。これらの一覧の中から「ワイプ(円)」「ワイプ(四角)」「ワイプ(時計)」「ワイプ(横)」「ワイプ(縦)」のいずれかを選択することでワイプトランジションを挿入することが出来ます。

シーンチェンジオブジェクトのタイミングと位置を調整します

ワイプトランジションを設定したシーンチェンジオブジェクトは2つめのオブジェクトの開始時間にピッタリと吸着させるように配置します。さらにシーンチェンジオブジェクトはタイムラインの見た目上の下の段に位置するように配置する必要もありますので注意しましょう。

配置位置が間違っていると正しくトランジション効果が適用されません。

テレビ用語のワイプと動画編集用語のワイプの違い

ワイプという用語が2種類の意味を持っていますので、小窓表現とトランジション表現とで意味合いが混乱してしまっている初心者の方も多かったかもしれません。小窓表現としてのワイプ映像もYoutubeのゲーム動画が普及している昨今ではとても需要のある表現かもしれません。AviUtlで小窓としてのワイプ表現は簡単に作成できますので、ゲーム実況動画用のフリーの動画編集ソフトを探しているという方はAviUtlを1つの選択肢に挙げてみても良いかもしれません。

ムービーメーカーでは重ねることが出来ず、iMovieでも柔軟な編集が行いづらいので、編集ソフトに迷った方は一度aviUtlにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?(難易度が高めで少々分かりづらいという難点ももちろんありますが。)

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