レイヤーに親子関係を設定する基礎と実践練習

After Effects内ではレイヤー同士をリンクさせて、親子関係を持たせることが出来ます。親子の関係になったレイヤー同士は、ひとまとめにしてアニメーションさせたり、階層構造ならではのアニメーションを適用したり出来ます。飛び出す絵本の構造を作った、人型のイラストを動作させたりといった際にも役立つ設定です。

親子関係を設定する準備

親子関係を設定するレイヤーを選択する

親子関係は複数のレイヤー同士をリンクさせて管理する機能となりますので、最低でも2つ以上のレイヤーが必要です。「誰を親にするのか?」を設定しますので、「子」にしたいレイヤーをひとつもしくは複数選択しましょう。

親子関係を設定するメニュー

親子関係を設定するためのメニューはココにあります。表示されていない場合は[F4]キーを押してメニュー表示を切り替えます。それでも表示されない場合には、タイムラインパネル内の列名が表示されている箇所を右クリックし、「列を表示>親」と選択します。

親を指定する

ドロップダウンメニューから指定する方法

[親]の列が表示されたことを確認したら、「なし」と表示されている右横にある下向きの三角形をクリックし、ドロップダウンメニューを表示します。この中から親に設定したいレイヤーを選択する事で、親を指定する事が出来ます。

ピックウィックから指定する方法

[親]と表示されて入れている列に「グルグルのマーク」が表示されています。ここをクリックした後にそのままドラッグすると、ピックウィップと呼ばれる線が伸びてきます。このピックウィップを伸ばしていき、親として指定したいレイヤーの上にくっつけると、この動作でも親を指定する事が出来ます。このピックウィップは親子関係の指定以外にもAfter Effectsの中では時々利用する機能です。直感的にレイヤーを指定できるため便利です。

親子関係が設定されるとどうなるのか?

親が行う位置変更や回転といった動作が、子にも影響します。試しに位置や角度を実際に変更してみます。

親の位置を変更すると子も追従

親として指定したレイヤーの位置を変更してみます。すると、子レイヤーたちも同じように位置が変わったのを確認できます。

親の角度を変更すると子も追従

親レイヤーの角度を変更してみます。親レイヤーのアンカーポイントを中心として、全てのレイヤーが同じように回転しているのを確認できます。子レイヤーが持っているアンカーポイントではなく、親レイヤーが持っているアンカーポイントを基点として回転動作が行われている点がポイントです。

親のスケールを変更すると子も追従

親レイヤーのスケールを変更してみます。こちらも回転と同様に、親レイヤーが持つアンカーポイントを中心にしてスケールが変更されている点がポイントです。親レイヤーのプロパティを変更した場合は、子レイヤーがそれぞれ持っているアンカーポイントを基点とした動作とはならない点を確認しておきましょう。

子レイヤーもプロパティ変更で階層アニメーション

親レイヤーの動作に子レイヤーは追従しますが、子レイヤーは子レイヤーでプロパティを変更したりアニメーションさせたりすることが可能です。「親の動きに加えて子も同時に動かすことが出来る」という訳です。階層的なアニメーションが作成できます。

子レイヤーの位置を変更する

子レイヤーの位置プロパティを変更して、位置を動作させてみます。親の移動に追従しながらも、相対的に子レイヤーも位置を変更できる事が確認できます。

子レイヤーの角度を変更してみる

親の角度変更に加えて、子レイヤー自身の回転プロパティも変更してみます。親の角度変更に追従しながらも、子レイヤーのアンカーポイントを中心とした回転動作が行われているのを確認できます。

子レイヤーのスケールを変更する

子レイヤーが持っているアンカーポイントの座標を基点として、スケールが変化します。親がスケール変更する動作に加えて、2次的に子レイヤー単体でもスケールを変更する事が出来ます。

親子関係を使ったアニメーション作成の練習

例)観覧車の動き

観覧車の動きを実際に作成してみると、親子関係の設定がどのように影響してくるのかを理解しやすいかもしれません。大きくゆったり回る円が親レイヤーで、そこにぶら下がっている箱が子レイヤーという関係になります。実際に作成してみます。

親レイヤーの作成:大きな円

シェイプレイヤーから円のレイヤーを作成します。このレイヤーを親として後ほど利用します。

子レイヤーの作成:ぶら下がっている箱

こちらもシェイプレイヤーから箱のようなものを作成します。練習なのでクオリティはご容赦ください。複製して5つ作成しました。

親子関係の設定

まず箱を円の上にバランスよく配置します。バランスよく配置が出来たら、最後に親レイヤーとして円を指定します。これで親を回転させると子も一緒に回転する動作になりました。

このまま回転させてみます

このまま回転させると、子レイヤーとなった箱がさかさまになってしまっているのが確認できます。子レイヤーにもアニメーションを適用する事ができますので、子レイヤーにも回転アニメーションを加えて常に上下が正しい状態となるようにしてみます。

子レイヤーも回転アニメーションを加えます

子レイヤーにも逆回転のアニメーションを加えます。親レイヤーは10秒間で時計回りに1回転する設定としましたので、子レイヤーは逆に、反時計回りに10秒間かけて1回転する設定とします。これで、常に上下が正しい状態の観覧車となりました。

親子関係のポイント

親子関係を設定すると、親レイヤーのプロパティ変更が子レイヤーにも影響を与えるようになります。しかし子レイヤーもプロパティの変更が可能なため、子レイヤーにもアニメーションを加えれば階層的なアニメーションを作成する事が出来ます。親レイヤーを設定した時の[現在の時間]に基づいて、親子の相対的な関係性が設定されるので[現在の時間]のインジケータがどこにあるときに親子関係を設定したのかも大切です。

  • 親レイヤの変更が子にも影響します
  • 子レイヤー単体でもさらにアニメーションが出来ます
  • 現在の時間に基づいて親子関係が設定されます(アニメーションする親レイヤーの場合は時間にも注意)

親子関係を練習できるaepファイル

このページで作成されていた観覧車などが入ったaepファイルです。After Effectsではアニメーション作成だけではなく、合成用にトラッキングした位置データの利用などでもこの親子関係はよく利用されます。完全な初級者からステップアップしていくためには欠かせないスキルなので、親子関係も使いこなせるようにしておきましょう。初心者の方の勉強や練習用にご活用頂ければと思います。

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