トラックマットを使って部分的にエフェクトを適用する

After Effectsのトラックマット機能を利用すると、レイヤーの輝度やアルファチャンネル情報をもとにレイヤー切り抜いたり、透明度をコントロールすることができます。この機能を応用すると、特定の領域にだけエフェクトを適用することもできます。このページではトラックマットと調整レイヤーを組み合わせて、輝度情報を利用して明るいところもしくは暗いところにだけエフェクトをかける方法をご紹介しています。「明るいところだけ」という指定の仕方はマスクでは難しいので、ルミナンスキーマットを使った方法もぜひ覚えておきましょう。

ルミナンスキーマットとは?

ルミナンスキーマットについて念のため確認しておきましょう。

ルミナンスとは輝度のことです。ルミナンスキーマットとはこのルミナンス値(輝度値)を使ってレイヤーの不透明度をコントロールする機能の事で、After Effectsのトラックマット機能の1つとなります。明るいところにだけ、暗いとこにだけ、にエフェクトを適用する場合にはこのルミナンスキーマットが有効です。

特定の部分にだけエフェクトを適用する方法

適用前後の画像

例として以下の花火の写真を利用してみます。この画像全体に対してエフェクトを適用することはもちろん簡単に行えますが、例えばこの画像の中の花火の光や光が当たって輝いているビルや素面の反射のハイライトの領域だけに色を加えたり色調補正をしたりとエフェクトを加えたいといった場合に、ルミナンスキーマットとの組み合わせが便利です。

以下の画像ではハイライトの領域にだけグローエフェクトを適用して、さらに輝きを増しています。(右側が結果)

部分的にエフェクトを適用する用意

マットレイヤーを用意する

マットとして利用するレイヤーは、ソースとして利用するレイヤーを複製したレイヤーです。つまり全く同じレイヤーを2枚利用します。複製したレイヤーには「色合い」エフェクトを適用して、白黒の輝度情報での表示に切り替えておきます。

マットレイヤーの輝度を調整する

マットとして利用するレイヤーにレベルエフェクトかトーンカーブエフェクトを適用して、コントラストを調整します。白く色が残っている領域にエフェクトが強くかかり、完全に黒い部分にはエフェクトがかからなくなります。初めにコントラスト調整をしてエフェクトを適用したい領域を抽出しておきます。

調整レイヤーを挿入してトラックマットを設定します

調整レイヤーを新規追加し、マットレイヤーとして前段落で作成していたレイヤーを指定します。輝度情報を利用したトラックマットとするため、ルミナンスキーマットを指定します。

レイヤー順序の確認

調整レイヤー経由でエフェクトを適用しますので、エフェクトを適用したい最終的なレイヤーは調整レイヤーよりも下に来る必要があります。ここでは3つのレイヤーを利用していますので、一番下に元の画像レイヤーを配置しています。

レイヤー順序

  1. マット用レイヤー(輝度を調整して調整レイヤーのマットとして利用)
  2. 調整レイヤー(ここにエフェクトを適用)
  3. ソースレイヤー

エフェクトを適用する

調整レイヤーにエフェクトを適用します

調整レイヤーにエフェクトを適用すると、調整レイヤーよりも下に配置されているレイヤーに一括してエフェクトが適用されます。調整レイヤーにはすでにマット用レイヤーとして白黒画像のれいやーが 指定されているため、調整レイヤーは部分的に透明になったり切り抜かれていたりする状態です。この状態でエフェクトを適用すれば、明るい領域にだけエフェクトを適用することができます。

ここではグローエフェクトを適用しています。

完成形

冒頭に乗せていた画像と同じものになりますが、領域を限定してグローエフェクトを適用できました。右側の画像のハイライトの領域がさらに明るくなっているのを確認できます。

領域を指定しない場合は全体にグローがかかる

調整レイヤーとトラックマットを利用しないでグローエフェクトをかけた場合は、以下のように画像全体にエフェクトがかかります。全体にかける場合も、特定の領域に限定してかける場合もケースとしてどちらもありますが、結果の違いとして見比べてみてください。

別のエフェクトを適用した例

グローだけだと少し分かりにくいかもしれませんので、調整レイヤーにグラデーションや塗りエフェクトを適用した例を以下に掲載しておきます。領域を限定してエフェクトが適用されているのが確認できるかと思います。

トラックマットを利用しない場合のグラデーションエフェクト

画像全体が塗りつぶされているのが確認できます。

トラックマットと調整レイヤーを使ってグラデーションエフェクトを適用

トラックマットで指定した領域(白黒画像の白い領域だけ)にグラデーションが適用されています。

塗りエフェクトを適用

こちらも同じで、マットで指定した領域にだけ塗りエフェクトが適用されているのを確認できます。

トラックマットとエフェクトを組み合わせた編集の練習ができるaepファイル

以下のaepファイルにはこのページで紹介されていた内容が実際のプロジェクトファイルとして格納されています。トラックマットを使った倍のレイヤー順序は上級者でも気を付けなければいけない点でもあり、初心者のうちは混乱しやすいポイントです。レイヤー順序を入れ替えると効果がどのように変化するのか、どのレイヤーがどういった役割を持っていて、何のエフェクトを追加する必要があるのかを、よく確認しておくとよいかもしれません。

初心者の方や勉強中の方にお役立ていただければ幸いです。

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